映画レビュー【そして、バトンは渡された】感想・ネタバレ注意

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◇ INTRODUCTION

2019年の本屋大賞受賞作「そして、バトンは渡された」が待望の映画化!主演は、原作の大ファンでもあり「この役は絶対に自分が演じたい!」と熱い想いを実現させた永野芽郁。共演は、2021年「父親にしたい俳優No.1」に選ばれた田中圭。血の繋がらない父娘という全く新しい親子像を感動的に演じ切る。“理想の女性”として常にその生き方が注目される石原さとみは、物語のキーパーソンとなるシングルマザーで初の母親役を演じる。さらに天才子役の稲垣来泉、実力派の市村正親や大森南朋、飛躍中の岡田健史、若手からベテランまで豪華キャストが集結した。そして『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』の前田哲監督の確かな演出力によって、感動の小説は感動の映画へと導かれた。

INTRODUCTION&STORY|映画『そして、バトンは渡された』オフィシャルサイト | 大ヒット上映中! (warnerbros.co.jp)

◇ STORY ーあらすじ

血の繋がらない親に育てられ、4回も苗字が変わった森宮優子は、わけあって料理上手な義理の父親、森宮さんと2人暮らし。今は卒業式に向けピアノを猛特訓中。将来のこと、恋のこと、友達のこと、うまくいかないことばかり…。

一方、梨花は、何度も夫を替えながら自由奔放に生きている魔性の女。泣き虫な娘のみぃたんに目いっぱい愛情を注いで暮らしているようだったが、ある日突然、愛娘を残して姿を消してしまった。

そして、優子の元に届いた一通の手紙をきっかけに、まったく別々の物語が引き寄せられるように交差していく。「優子ちゃん、実はさ…。」森宮さんもまた優子に隠していた秘密があった。父が隠していたことは? 梨花はなぜ消えたのか? 親たちがついた〈命をかけた嘘〉〈知ってはいけない秘密〉とは一体何なのか。

2つの家族がつながり、やがて紐解かれる《命をかけた嘘と秘密》。物語がクライマックスを迎え、タイトルの本当の意味を知ったとき、極上の驚きと最大の感動がとめどなく押し寄せる─。

INTRODUCTION&STORY|映画『そして、バトンは渡された』オフィシャルサイト | 大ヒット上映中! (warnerbros.co.jp)

小説や予備知識なしで鑑賞しました。話のながれは分かりやすかったですし、登場人物のキャラも分かりやすいので、見やすい映画でした。

前半は、笑顔を振りまいて生きる優子の高校生活と泣き虫な小学生のみぃたんの日常が流れていきます。

後半で、話しの雰囲気がいっきに変わりました。優子の人生の大きな決断に向き合う姿と、母親・父親との関係がより深くなっていくストーリーに引き込まれます。

感動する場面はもちろん、おいしそうな食卓や淡い恋のシーンに、観ているこちらの心を少しずつ温めてくれました。ピアノを弾くシーンは本当に弾いているかのようなリアルさも好きでした。出てくる車が、時代に合わせて古い車が出てきていたり、雰囲気がすごく作られていて、観ていて楽しかったです。

観終わったあと、家でもう1度みたいな・・・と思いました。感動のストーリーに涙があふれるので、映画館ではなく家の中で思いっきり泣きたいです。(笑)

泣き虫みぃたん①

水戸家に生まれたみいたん。

チョコレートをお友だちに分けていると、カラスがそれを奪おうと襲ってきました。せっかくのチョコレートが地面に落ちてしまったので、お友だちが泣いてしまいます。みぃたんは、カラスに立ち向かい追い払おうとしますが、自分もカラスに襲われてみぃみぃ泣いてしまいました。

心優しいみぃたん。しかし、みぃみぃと泣き虫なので、みぃたんと呼ばれていました。

お母さんは、みぃたんが小さいころにお空にいってしまい、お菓子メーカーで働くお父さんと2人で暮らしています。しかし、母親がいないという周りとの違いを受け入れられず、泣いてお父さんを困らせてしまうのでした。

ある時、お父さんが急にお友だちと言って女の人を連れてきました。魔性の女・梨花です。梨花はみぃたんにとっても優しくしてくれて、たくさんお洋服を買ってくれて、いつもかわいいものを見せてくれました。

梨花は、笑顔でいると3割増しで可愛くみえるよとみぃたんに教えてあげます。にっこり笑うみぃたん。

梨花が、みぃたんに聞きます「私がお母さんになったら嬉しい?」。みぃたんは「うん!」と目をキラキラさせます。梨花は、みぃたんのお母さんで、水戸さんの奥さんになったのでした。

楽しくて、おしゃれで、かわいい毎日を送ります。ある夏休み、出張でお父さんはブラジルに行ってしまい、約束した海に一緒に行けないと文句をいうみぃたん。熱っぽくて寝ていた梨花でしたが、ブランケットを波にみたてて、みぃたんを喜ばせるのでした。血はつながっていなくとも、みぃたんにとって梨花は素敵なお母さんでした。

出張から帰ってきた水戸さんと梨花とみぃたんは、遊園地に出かけます。楽しく遊び、お昼ご飯を食べていました。自分のチョコレートを作るのが夢だった水戸さん。その夢を梨花も応援していました。しかし、急に会社を辞めていて、ブラジルで事業を立ち上げるから3人で向こうに住もうと言いだしました。夫婦は険悪なムードになり、みぃたんは2人の様子を伺っていました。

梨花は水戸家を解散するといいました。お父さんとブラジルに行くか、お母さんと日本に残るか、みぃたんに決めさせると水戸さんに提案します。

みぃたんには仲の良いお友だちがいました。お友だちは、みぃたんが居なくなるなんて考えられないと、ブラジルに行くことを嫌がりました。

みぃたんは、お母さんと日本に残ることに決めます。お父さんは残念がり梨花が特別なことをしたのではないかと疑いましたが、みぃたんがお友だちと約束したというのでそれ以上は何も言えませんでした。

水戸家は、解散するのでした。

水戸さんは大森南朋さんが演じています。みぃたんは稲垣来泉ちゃんが演じています。

森宮さん家の優子①

高校3年生の優子。いつもにこにこ笑っていることが、男に媚びを売っていると、同級生に意地悪を言われる優子。

卒業式にクラスごとの合唱があり、そのピアノの伴奏者が優子に決まります。クラスには、優子よりも上手にピアノが弾ける子もいますが、クラスで少し浮いていた優子は嫌がらせで、その役を受けることになりました。幼少期に少しだけ弾いていたことがあることを理由に選ばれてしまうのでした。

家に帰ると料理上手な義理のお父さん、森宮さんがおいしいご飯を用意していました。優子は、おとうさんと呼ばず、森宮さんと呼びます。森宮さんは、お母さんがいないので、”優子のお父さん”を全うしようと必死です。お弁当ひとつでも、父親の役目が発揮できると嬉しそうに作ります。

森宮さんは、伴奏者になった優子に電子ピアノしかない我が家を心配して、ピアノが必要なんじゃないかと聞きますが、優子はいらないと答えます。森宮さんは、父親の自分にもっと甘えてほしいと願っています。

泣き虫みぃたん②

ブラジルに行かず日本に残ったみぃたんは、田中の姓になった梨花と、狭いアパートで2人暮らしをはじめました。パートで稼いでいる梨花との生活は、決して裕福と呼べない暮らしでした。

みぃたんは、ブラジルにいるお父さんにお手紙をたくさん書きました。梨花にポストにだすようお願いした手紙が家に置きっぱなしにされているのを見つけては、ちゃんと郵便にだしてと強くお願いするのでした。

生活は苦しくても、みぃたんを喜ばせるために梨花は、新しいかわいい洋服を買ってあげますが、みぃたんにお米を切らしていることを心配されてしまいます。でも、「こういう時こそ、笑うの。笑顔でいればラッキーがやってくるのよ」というのでした。

ある時、梨花がパン屋さんでパンの耳をもらったと嬉しそうに持って帰ってきました。これにマジックをするといって、フレンチトーストに仕上げ、とびきりおいしい料理に変えるのでした。

ご飯が終わり机をどかすと、50円玉が落ちていました。梨花が、贅沢をしよう!とカーペットの電源をいれるようにみぃたんに言います。楽しそうに寝そべる2人。

みぃたんは言います。お母さんはどのくらい生きるのか、たくさん生きてほしい、と。梨花は、お母さんは丈夫だから安心して、とハグするのでした。

ある日の下校時。いつものお友だちに遊びのお誘いをすると、ピアノの練習があると2人から断られてしまいます。寂しい気持ちで雨に打たれながら帰るみぃたんでしたが、ある家の前で、とっても素敵なピアノの音を聴きました。その音色を聞いて、だんだん元気になっていくみぃたん。

家に帰ると、ずぶ濡れになったみぃたんを梨花がタオルで拭いてくれました。思い切って、みぃたんもピアノが習いたいと梨花にお願いしてみます。しかしそれが金銭的に無理なのは、幼いみぃたんにも分かっていました。

みぃたんがお願いをしてきたことで、梨花は、どうにかしよう!と行動をするのでした。

森宮さん家の優子②

音楽室に、クラスの合唱曲を決めるため、選ばれた伴奏者たちが集められました。思い思いの曲を弾いくように言われ、自信のない優子は緊張していました。案の定、うまく弾くことができませんでした。

優子の次に弾いたのは、隣のクラスの早瀬くんでした。彼の天才的なピアノに、ふわっとした気持ちになり、優子は心を奪われたのでした。

その日の夜ごはんは、優子の大好きなロールキャベツ。しかし、なかなか進みません。その姿に、恋かと茶化す森宮さん。動揺する優子に、ちゃんと紹介してよと父親ヅラします。

進路面談で、料理の道に進むと話す優子。先生からは、四大に進むほうが良いと言われますが、断ります。

隣の教室では、早瀬くんも面談中のようでした。彼もまた、音楽の道ではなく料理の道にすすむと決め、先生から止められていました。なんでも、ロッシーニという音楽家は、料理もたしなみながら自由に音楽を奏でていて、それに憧れをいだいていました。音楽のできる早瀬くん、料理ができる優子、2人でロッシーニみたいだねと話す優子だった。

しかし、優子は早瀬くんには音楽のみちに行ってほしいと望んでいました。もちろん、早瀬くんの天才ぶりに母親も音楽の道に行くことを強く願っていました。ただ、その母親のプレッシャーに彼は嫌気がさしていたのでした。

そんな話をして以来、2人の距離は近くなり、練習をみてもらう関係になっていきました。

泣き虫みぃたん③

梨花は目的のためなら手段をえらばない魔性の女でした。狭いアパートを抜け出し、豪邸に連れてこられたみぃたんに、このピアノはみぃたんのだよと嬉しそうに話します。

そんな2人の前に、年齢が梨花の二回りほど上にみえる男の人が現れます。この家の持ち主である泉ヶ原さんという人でした。その人は、みぃたんの新しいお父さんで、梨花の結婚相手だと言います。みぃたんはピアノのために結婚した梨花に驚きますが、パートしなくて良くなったし、パン屋さんに頭下げなくて良くなったからこれでよかったと梨花は話します。

越してきてからも、実の父親である水戸さんに手紙を書き続けるみぃたんに、梨花は新しいお父さんのためにも返事ひとつよこさない父親なんか忘れなさいというのでした。子どもながらに納得してはいないものの、うなずくみぃたん。

それからは、泉ヶ原さんのピアノを弾いて練習に励みました。ピアノを弾くのはとても楽しかったみぃたん。コンクールにでるまでに上手になりました。

順調に過ぎていたかのように思いましたが、梨花が、置手紙を残して消えてしまいました。寂しくて寂しくて、学校にも行きたがらないみぃたん。

しかし、2ヶ月後なにごともなかったかのように帰ってきます。なんでも、農場で住み込みで働いていて、週末婚になるというのです。ダイエットもして瘦せたんだよと話す梨花に振り回されるみぃたんでした。

森宮さん家の優子③

卒業合唱に向けてピアノの練習をしますが、ブランクがあるのでなかなか上達しない優子。最初はうまく弾けないことを同級生にバカにされていましたが、必死にピアノを弾く優子を見て、同級生の気持ちに変化が出てきます。優子の複雑な家庭事情を先生から聞いたらしく、意地悪をしなくなりました。それだけでなく、友だちになったのでした。

ある日、楽器店で飾られたピアノを見ていた優子。森宮さんに、ピアノほしいの?と聞かたことがきっかけで、小さな言い合いになります。そこに早瀬くんが居合わせました。血のつながっていないお父さんの話は、彼にはしていました。

森宮親子は、早瀬くんをご飯に誘います。早瀬くんは、優子が気にかけている男の子だと勘付く森宮さん。食卓で早瀬くんが、優子のお母さんのことを聞きました。森宮さんは、3択をあげます。1、嫌いになった、2、他に好きな人ができた、3、犯罪を犯して逃亡中、と。その3択に、ありえると同意する優子と森宮さんの会話に不思議がると同時に仲の良い親子を羨ましく思います。

また、早瀬くんは母親のもとを離れるために、大学にはいったらすぐに家庭を持ちたいとも話しました。それに対して、子どもは何人ほしいの?と楽しそうに聞く優子にやきもきする森宮さんでした。

泣き虫みぃたん④

ある時、梨花がいいました。

東大出のいい人を見つけた。式場も予約してある。と。

また、新しいお父さんができるということでした。

みぃたんは、せっかくピアノを弾かせてくれて、面倒をみてくれた泉ヶ原さんを置いていくことはできないと、子どもながらに思いましたが、梨花に「ついていきたい方を選べば良い」と言われ梨花と離れたくないみぃたんは、渋々梨花を選ぶのでした。

その新しいお父さんは、梨花が同窓会で見つけた人でした。

みぃたんは、新しいお父さんと式場で初めて顔を合わせることになりました。

こんにちは、森宮さん、とあいさつするみぃたん。びっくりする森宮さん。梨花に子どもがいることを聞かされていなかったのです。しかし、気優しい森宮さんは、みぃたんを受け入れ梨花と無事結婚するのでした。

みぃみぃ泣くみぃたん。改め優子。森宮優子になりました・・・・。

森宮さん家の優子④

穏やかな高校生活を送ることができた優子は、受験真っただ中。

受験勉強中、夜食を持ってきた森宮さん。がっつりした夜食を作るのは父親としての役目だと話す森宮さん。そんなおいしい、幸せな料理をつくる森宮さんにあこがれて、優子は料理の道にすすむんだと打ち明けました。優子に父親をしてあげられていたことに、嬉しくて涙ぐむ森宮さんでした。

優子の進学が決まり、噂で、早瀬くんが音大に進んだことを耳にします。やっぱり早瀬くんは音楽に進むのが良いと優子は嬉しく思います。

優子は、早瀬くんの進学祝いにと、ロッシーニの料理本を買いました。その日は、森宮さんと外食の日。森宮さんから、進学祝いにと腕時計をもらいます。優子もお世話になりましたと、食器のセットを森宮さんにプレゼントしました。優子は、卒業と同時に一人で暮らすことが決まっていたので、食器はまだ見ぬ新しい奥さんと使ってほしいと願うのでした。

そんな会話をしていると、どこからともなく、素敵なピアノの音が聞こえてきます。音の方を見てみると、弾いていたのは早瀬くんでした。やっぱり早瀬くんのピアノが好きだなと思う優子は、さっそく買ったプレゼントを渡そうと近寄りますが、彼のそばには彼女がいました。2人は腕を組み、こちらに気づくことなく去っていってしまいました。

それからというもの、ピアノもなんだか身が入らない優子。その様子に、森宮さんが練習の手伝いをする、と歌ってくれました。近くに支えてくれる人がいることに喜びを感じる優子でした。

そうして迎えた卒業式。優子は立派に弾くことができました。森宮さんは、小さいころに出会った優子を思い出し、あの小さかった優子が、こんなに立派になったと感動するのでした。

いろいろな日々がありましたが、好きな人もでき、友だちでき、父親の森宮さんのありがたさを再確認できた高校生活は、優子にとって、素敵な思い出になった高校生活は幕を閉じました。

卒業後の優子

卒業して専門学校で料理の勉強をし、一流のレストランに勤めた優子でしたが、伝統を重んじる風習が肌に合わず、辞めてしまいます。目標をなくし、しばらくふわふわと生活していましたが、学生の頃アルバイトしていた喫茶店にお世話になることになりました。

その喫茶店はデリバリーをしています。優子が配達のため自転車で向かった先は、昔、雨に濡れ寂しい気持ちでいた時に、素敵なピアノが流れてきて元気をもらえたお家でした。またここに来れた!と思っていると、聞こえてきていたピアノが急に止まり、家の中から言い争いながら住人がでて来ました。それは、なんと早瀬くんでした。

早瀬くんのお母さんが、家を飛び出した彼を追いかけていました。しかし早瀬くんは、走ってどこかへ行ってしまうのでした。

配達を終え、店に戻ると、なんと早瀬くんがそこで食事をしていました。

卒業ぶりに出会う2人。

懐かしむように帰路をともにし、近況を報告しあいました。早瀬くんはコンクールで賞をとれたことでしか評価されない学校を窮屈に感じ退学。やっぱり料理がしたいと行動しているところだった。また、家庭を持ちたいと思っていたが、でたらめな俺に彼女が愛想を尽かしたと、あの時の彼女とはもう別れていることも知るのでした。

再会に握手をもとめてきた早瀬くん。うつむく優子。早瀬くんのピアノには早瀬くんと出会う前から救われていたと口にする優子。お互いがお互い、卒業してからも気になる存在だった2人は、晴れて恋人になるのでした。

一緒に料理をして勉強して、2人で飲食店を営もうと決めるのでした。そして、結婚しようとも考えていました。

父親めぐりの旅

森宮さんに久々に会いに行く優子。

プレゼントしてもらった食器がようやく日の目をみたと喜ぶ森宮さん。

話があると切り出し、早瀬くんと結婚をしたいと伝えた。しかし、音楽やったり料理したりふらふらしている人に優子ちゃんを任せられない、と反対されてしまう。

同じく、早瀬くんの母親も、結婚はおろか、早瀬くんが料理の道に進むことを反対していた。その道に、才能はない。初めてピアノを弾いた早瀬くんの音に震えたと話、共感する優子でした。

認めてもらえない2人は、まず外堀から埋めようと、泉ヶ原さんに報告に行く。

泉ヶ原さんはとても喜んで祝福してくれました。優子が、泉ヶ原さん自身をお父さんと認めてくれたことにも、大変喜んでいました。

また、亡き妻のものだったピアノを幼い優子が弾いてくれることになった時も嬉しかったと話てくれた。優子は迷惑な存在ではなかったことに嬉しかった。

まずは1人のお父さん・・・と思っていたところに、ずっと音沙汰のなかった梨花から荷物が届きます。

中身は、実の父親である水戸さんからの手紙だった。優子が水戸さんのところに行ってしまうのが怖くて隠していたといいます。そして実は、ブラジルでの事業に行き詰まり、日本にいるからと住所も書かれていました。

急なことに、手紙を読むべきなのか、実の父親に会うべきなのか悩み、森宮さんにも相談をした優子。森宮さんは、会うべきだと背中を押してくれました。

早瀬くんと実の父親に会いに行きます。

向こうは、再婚して子どももいました。

久々に会う父は、こちらが名乗る前に気づいてくれたのでした。

手紙を最近受け取ったことを伝えると、水戸さんも梨花から送られていなかったみぃたんの手紙を受け取ったことを知らされます。

水戸さんから、なぜ梨花と出会い結婚したのかを聞かされます。梨花は子どものできない病気になり、片親の優子をみて、母親になりたいと思ったのでした。ブラジルについて行かず、日本に残ったのも、病気のことが心配で体力に自信がなかったからだそう。手紙を渡さなかったのも、自分の生きる希望の優子が離れてしまうのが怖かったから。だから、そんな彼女に優子がいて良かったと話す水戸さん。

優子の幸せを1番願っていた梨花の話を聞き、優子が幸せになるためにピアノの道をもう一度向き合うことを決める早瀬くん。その決断に、嬉しそうに、やっぱりわたしたちは2人でロッシーニになろうとほほ笑む優子。

水戸さんの前の奥さん。優子の実のお母さんのお墓の前で、結婚したいと報告する優子と早瀬くん。早瀬くんが音楽のみちに進むことも報告していました。そこに、森宮さんの姿。その報告を聞き、2人の結婚を認めることにしたのでした。

残すは、梨花だけ、そう思っていたところ、森宮さんが電話があったというのです。

梨花という優子のおかあさん

泉ヶ原さんの家に、梨花の祭壇が飾られていました。

梨花は、病気が再発し、優子が中学生のころに悪化していた。ちょうど、姿を消した頃でした。そして、優子の結婚を誰よりも祝福し、少し元気を取り戻しはじめ、ウェディングドレスも購入して、その日を待ちわびていたそうです。

優子に病気のことを話すことも考えたが、娘にそんな姿は見せられないし、わたしらしいという理由で姿を消していた。しかし、治療のお金に困り、泉ヶ原さんに助けを求めていたというのです。最初は、亡くなっても優子には言わないでほしいと頼まれていましたが、森宮さんがどんな形でも優子が会いたがるとこの機会を与えてくれたのでした。

隠されていたことに、納得いかなかった優子ですが、梨花の気持ちや、泉ヶ原さん、森宮さんが自分のためにしてくれた優しい選択に、この状況を受け入れることにしました。

こんな時こそ笑顔でいなくちゃね。きっとお母さんはどこかで生きているんだから。と前を向きはじめました。

そして、バトンは渡された

優子は、水戸という名字から田中になり、泉ヶ原になり、森宮になりました。たくさんの愛情を3人のお父さんから受けて育った優子。森宮さんはバージンロードで腕を組む父親に選ばれ、優子をエスコートし、愛情のバトンを早瀬くんに渡すのでした。

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